溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
そんな夢を語られて、ずきんと胸が痛む。
未だそれを叶えさせてあげられていない。
このまま私が結婚しなければ、母親の夢は叶わずじまいだ。
「でも、いつこんな風に体を悪くして倒れるのか、今回のことでわからないなって思ったわ」
「お母さん……」
「今回は運が良かったけど、もしかしたらあのまま帰らぬ人だったかもしれないのよね」
考えたくはないけれど、もしそうなっていたとすれば……想像途中で考えることが辛くなり、頭の中から浮かんでいた光景を消し去った。
「私、今日の縁談、進めるから」
「え……」
「結婚する。だから、お母さんは安心して早く体良くして」
今回のことは、きっと私の背中を押すためだったのだとプラスに考える。
私の言葉を聞いた母は、嬉しそうに微笑み目に涙を浮かべた。