溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「同意をしたから、ここにサインをしたんじゃないのか」
「それは、はい。間違いありません。ですが院長、本当に、こんな形で私と夫婦という形になってしまっていいのかと。数年経って、お互いの条件が満たされて離婚することになったら、戸籍に傷がついてしまうのですよ」
「傷にしなければいいだけの話だ」
「え……」
「夫婦として成り立っていれば、小野寺も俺も戸籍に傷をつけることにはならない」
要は離婚という形にならない限り、私たちは夫婦であり戸籍に傷がつくこともないということ。
もっともなことを言われ、もうそれ以上何か質問する言葉が出てこない。
「後は。これを出すのを引き止めるなにかがあるのなら、今解消した方がいい」
「……いえ、ありません」
「じゃあ提出する」
私からの返事を聞いた水瀬院長は、迷いなく窓口へと向かっていく。
なにかの事務手続きをするようにあっさりと婚姻届を提出する姿を、私は黙って見守っていた。