溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 ドアを開けて晃汰さんと対面し、思わずジッとその姿に釘付けになる。

 そこに立っていた晃汰さんはブラックのテーラードジャケットに、ホワイトのTシャツをインし、細身のインディゴデニムという姿。

 これまでスーツかスクラブに白衣の姿しか見たことがなかったから、初めて目にする私服姿に、ついジッと見入ってしまう。


「あ、どうぞ」


 ドアを手で押さえ中へ招くと、「お邪魔します」と彼はこじんまりとした玄関で靴を脱いだ。


「どうしたんですか? ここまでわざわざ」

「なにか手伝えることがあるかもしれないと思っ来てみたが……もうその必要もなさそうだな」


 私の部屋に入った晃汰さんは、がらんとした部屋の中を見回してそう言う。


「ありがとうございます。後は、業者に任せるだけで」

「そうか。それなら引越しの準備をする時に来ればよかったな。千尋がどんな部屋に住んでいたか見たかった」


 もう住んでいた頃の面影はない。

 改めて部屋の中を見回し、部屋の奥、掃き出し窓の前を指さした。

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