溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 晃汰さんに対してこんな失礼な態度を取ったのは初めて。それくらい驚いて動揺を隠しきれない。


「お、いい反応。決まりだな」


 そう言った晃汰さんの微笑が一気に近付き、私の唇に軽く触れる。

 驚いて肩を震わせた時にはもう離れていて、恥ずかしさのあまり顔を俯けた。

 これは、なんとしてでも間違えられない。

 今の勢いで間違えていたらキスの嵐だ。


「気をつけます……」

「いや、気をつけなくてもいいんだぞ?」


 意地悪く言い返され顔を上げると、そこには口角をわずかに上げた悪戯っぽい表情がある。

 仕事中、ふとした時にいじられることもあるけれど、いつもそれに乗ることなく冷静に対応してきた。

 だけど、こんな顔をして意地悪なことを言う晃汰さんにたじたじになってしまう。


「いえ、気をつけます」


 なんとか平静を装って宣言したものの、鼓動は早鐘を打ってなかなか落ち着かなかった。

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