溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
車を出すほどの距離でもないため、散策がてら歩いてスーパーマーケットに行ってみることに。
エレベーターを降りてエントランスに向かうところで、斜め前を歩いていた晃汰さんがこちらに向かって手を差し出す。
なにか手渡すものでもあったかと、自分を確認した私を晃汰さんはふっと笑った。
「なにしてんだ。手だよ」
「え、あ、これですか」
左手を差し出すと、晃汰さんはその手を掴む。そのまま指を絡めて手を繋いだ。
途端に私の心臓はトクトクと音を立てて主張し始める。
手を繋いで歩くことなんて、恋人同士のレベルから普通のことだ。まして私たちは夫婦という関係なのだから当たり前。
なんともないし意識するようなことなんかじゃない。
と、そう思ってみてもやっぱり無理がある。
夫婦といってもつい最近急に結んだ関係だし、私たちには基礎がない。
どちらかといえば付き合い立てのカップルのような関係の方が正しいのだから。