溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
男性と手を繋いだのなんて、もう遠い昔のこと。専門学生時代に少しお付き合いした彼とが最後だ。
それ以降は仕事に奮闘する毎日で、恋愛など無縁の存在だった。
だから、こういう状況にまったく慣れていない。
繋がれている手には、私の方からも力を入れて握った方がいいのだろうか。
あんまり強く握り返したら変かもしれないし、このまま手を引かれている感じの自然な力加減で……。
そんなことを考えているうちに、目的のスーパーマーケットに到着する。
晃汰さんは入り口付近でナチュラルに私の手を解放し、買い物かごとカートを取り出した。
「すみません、ありがとうございます」
その横に並んで店内に入っていく。まずは青果コーナーからだ。
「今までは、普段料理はしていたのか」
「はい。できるだけ作るようにはしていました。常備菜とか」
「休日にまとめて作ったりとかか?」
「はい。そんな感じですね」
ひとり暮らしをしていた頃、暇を見つけては作り置きをしていた。
帰宅してからなにか作るのは大変なため、作っておいたものを順繰りに食べていたのだ。
病院に持っていくお弁当もそこから彩りを見て詰め込んでいる。