溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「どんな風に切ればいい」
「えっと……薄めよりは、厚めに切った方が食べごたえがあって美味しいかと」
「了解」
まな板に載せたベーコンを迷うことなく切っていく。
詳細を伝えなくても私の思っていた感じに切っていってくれていることに、また手を止めて視線を送ってしまう。
「どうした」
視線に気付かれ、ハッとして手元の作業を再開する。
「あっ、いえ。院長も普段料理されるんですか?」
「最近は外食が多いけど、アメリカにいた時はよく作っていたな」
「そうなんですね」
「やたらと日本食が恋しくなってな。味噌汁とか煮物はよく作っていた」
ベーコンを切り終え、晃汰さんが洗っている手をぼんやり見つめながら「へぇ……」と感心した声が漏れる。
「日本にいた時はそれほど欲してなかったんだけどな。ないものねだりってやつだ。そんなことより……」
晃汰さんの話に聞き入っていると、突然横から顔を覗き込まれる。
驚いて身を引こうとしたところ、そっと腕を掴まれた。
「二回」
「へ……?」