シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄

ズガーン、と銃声が轟いた。

マリンを抱きしめたまま、ギュッと目をつぶった…でも。

「痛く…ない?」

ゆっくりと目を開いて見ると、うめき声が聞こえたのは女の口から。握りしめた手の中に、細いナイフが刺さっていた。

カツン、カツン、と大きな足音を響かせて外から入ってきたひとは……スーツスタイルのカイルで。薄暗がりのなか、シルバーブロンドが何よりも輝いてた。

「…カイル!!」
「遅くなって済まない、くるみ。待たせてしまったな」
「ううん、来てくれてありがとう」
「ケガは…あるな。大丈夫か?」

優しい眼差しに、安心して彼の手に身体を委ねようとして…あの写真の女性を思い出し、ついッと避けてしまった。

「……くるみ?」
「あ、マリンが銃でケガしちゃったんだ!早く手当をしてあげて」
「ああ、もちろんだ…だが」

カイルが引き連れてきたのは、完全武装した特殊部隊のプロの軍人で。数十人の荒くれ男ごときが叶うはずがなく、次々と拘束されていた。

「クソっ…よくも、よくもおお!」

拘束されていたはずの女がいつの間にか隊員を倒し、隠していた銃を抜いてカイルに向ける。

「カイル!!」

ドウン!と鼓膜が破れそうな轟音が、すぐ間近から聴こえる。

女の頭からパッと血が噴き出し、そのままどうっと倒れた。

「カイル……あのひと、し、死んじゃった…の?」
「いや……こめかみをかすって脳震盪で気絶させただけだ。完全に拘束される時間は稼げるだろう」

女とは違う形のシンプルな銃を手にしていたカイルは、そう言って銃を隊員に渡した。

「じゅ、銃刀法違反…」
「ま、正当防衛ってことで」

おちゃめにウインクしたカイルを見て、ついつい噴き出してしまってた。








< 44 / 53 >

この作品をシェア

pagetop