シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄
「……わたしに、王族の血が?」
自分自身がいきなり異国人で、しかも王位継承権まであると言われたら。現実感なんて、あるはずがない。
「ま、本当に薄いから10位とかだけどね。でも、ぎりぎりれっきとした王族なのよ」
マリンが教えてくれた事実は、到底すぐには受け入れられない。
彼女は腕を撃たれたのに、かすり傷だからと護衛を譲らない。責任を感じる必要はないのに。
でも、と気になる事があった。
カイルに向かってずっと懸念していたことを、思い切って訊ねる。
「カイル…あなたはわたしのことを知っていたの?王族の血を引いていたから…だとか」
「……ああ。知っていた」
聞きたく、なかった。その答えは。
「だから……そばに居させたの?政敵を潰す目的で…わたしを利用するために…ずっとお芝居までして……」
ずっと不思議だった。
カイルみたいな素敵な人が、無条件でわたしに好意を抱くなんて…って。
それが、演技ならば納得がいく。
1か月前わたしを騙すだけでいいんだもの。
すうっと頬を涙が伝う。
カイルは慌てたように言い訳をしてきた。
「それは、違う!オレは本気でくるみを…」
「本国に、婚約者までいるのに!?」
わたしは隠し持っていたあの写真を、カイルに突きつけてやる。すると、カイルが息を飲んだ気配があった。
「オパーリン公爵令嬢…綺麗な方よね?わたしと違って…ねえ、楽しかった?馬鹿な女を騙すのは。もう他の男に騙されてたから、チョロかったでしょ?」
ぽたぽた、と大粒の涙がとめどなく溢れた。