素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる

22 私の方が

「わ、かわいい。かわいいね! こんなお部屋あったんだ」

 その部屋の扉を開いた時から、もう興奮が止まらなかった。やっと以前から来ようと約束していたアリスの好みだという宿屋に二人で来られたのだ。

 一度ゴトフリーの緊急招集があって、最初に言っていたその日はダメになってしまったけれど、もう一度予約を取り直してからの仕切り直しとなった。ゴトフリーはアリスの着替えなんかが入った大きなバッグを可愛らしい模様の入ったテーブルの上に置いてにこっと笑った。

「ふ。本当に可愛いものが好きなんだな。アリスの部屋もこういう雰囲気だったから絶対好きだと思ったんだ」
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