素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 もちろんわかってはいたつもりだけど、自分はこれが初めてだけど、すごく人気のある竜騎士である彼はそうじゃない。この顔を知っている人はこの国のどこかにいるんだと思うと、やっぱり涙がじわっと浮かびそうになった。

「お願いだから、もういじわるしないで」

 かぼそくも聞こえる声でアリスは訴えた。ゴトフリーは間近で驚いた顔を見せ、もう一度キスをすると優しく笑った。

「さっきのすっごく可愛かったからこれで許してあげる……今夜だけね」

 今夜だけって、今夜しかないのに、次の夜なんてないのに、この人は何言ってるんだろう、と天井を見ながら思ったところでふわふわとした思考は鋭い快感に飲み込まれた。

「やっ……やああっ……あっ……あああっ……も、やめて、お願い」

 彼は大きな手で足首を軽く掴んでいるだけのようなのに、必死に足を動かすけど動かない。アリスの足を広げたまま固定して、ゴトフリーはやっぱり小さく笑い声をたてながら芽の周辺をねぶるように舐めた。
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