社長は身代わり婚約者を溺愛する
大丈夫なの⁉芹香!

「だから、ここは俺がはっきり幸せにしますって、言っておいた方がいいと思って。」

「な、なるほど。」

だけど、芹香のお父さんに会わせる訳にもいかず。

私のお父さんにも、会わせる事はできない。

どうすればいいの!


「そんなに、心配しないで。」

信一郎さんが、私の手を握ってくれる。

「芹香は、俺がお父さんに気に入って貰えないって思ってるの?」

「そんな事はないけれど……」

きっと芹香のお父さんも、信一郎さんだったら気に入ってくれると思うし。

私のお父さんなんか、喜んで結婚させると思う。


「でもね。こういう事は、ちゃんと結婚が決まった時に、言うべきだと思うの。」

「……芹香はもしかして、事後報告派?」

「事後報告って……余計な心配かけたくないんだよ。」

「へえ。」

信一郎さん、じーっと私を見ている。

そんなに、交際している事を認めてもらいたい人なのかな。

「俺は……芹香を抱いている以上、いつ子供ができてもおかしくないと思っているから。」
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