社長は身代わり婚約者を溺愛する
「えっ⁉」

こ、子供⁉

そんな早く子供が欲しいの⁉

「私、結婚するまで子供は……」

まさか、このまま芹香の名前を名乗っている内に、子供なんかできたら。

母子手帳とかで、思い切り礼奈って名前見たら、驚くよね。

そう考えると、ゾ~っとしてきた。

「ああ、いやもちろん。俺もそう考えている。でも、芹香が可愛くてね。」

信一郎さん、私を見ながらニヤニヤしている。


「俺の腕の中で、感じている芹香を見ると、思わず興奮しちゃって。」

「……ははは。」

そんな事言われたら、嬉しいに決まってる!

でも、だからって、子供を作っていいなんて事にはならない。

「そこは、節度を守って、お願いします。」

「ははは!節度!はいはい、節度ね。」

笑っているけれど、大事なところだよ、信一郎さん。


でも、夢を見てしまう。

信一郎さんと結婚して、二人の子供ができて。

一緒に遊んでいるところを想像すると、幸せってこんな感じなのかなって。

夢心地。今まさに、そんな気持ちになっている。

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