社長は身代わり婚約者を溺愛する
「ええっとー……」

まさか、彼氏の家に泊まって来たなんて言えない。

そして、お母さんも姿を現した。

「お父さん、野暮な事聞くんじゃありませんよ。」

「野暮な事⁉まさか、男か⁉」

だから察して欲しい、お父さん。


「いつからだ⁉いつから付き合っている⁉」

「ああ、もう!会社に遅れるから!」

急いで階段を登り、今日の服に着替えた。

そして駆け足で、階段を降りる。

「おい、礼奈!質問に答えろ!」

「おいおい教えるから!」

そう言って私は、玄関のドアを閉めた。

はぁー、やっぱり父親は、ああいう態度になるよね。


急いで門を出て、会社に向かった。

電車もギリギリで間に合った。

「おはよう、森井さん。」

「おはようございますぅ。」

下沢さんの隣の席に、滑り込むようにして座った。

「なんか森井さん、朝から疲れているね。」

「ははは……」

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