社長は身代わり婚約者を溺愛する
本当にその通りだ。

でも、会社に遅刻しないで、よかった。


そんな事を思っていると、下沢さんが大きな段ボールを持って、私の席に来た。

「どうしたんですか?その段ボール。」

「今日の仕事。大会議室で、会議の用意。」

「えっ⁉そんなのあるんですか⁉」

大会議室って言うと、社長室があるフロアだ。

「そう。社長を交えての会議だから、抜かりなくね。」

それを聞いたら、身体が震えてきた。

もし、万が一。

信一郎さんに、会ってしまったら。


「森井さん?大丈夫?」

「えっ?」

「いや、顔色悪いから。」

下沢さんの心配を他所に、私は震える身体を何とかしようと、自分の身体を抱きしめた。

「じゃあ、行こうか。」

「はい。」

私も小道具を持って、下沢さんと一緒に、エレベーターに乗った。

「会議、何時からですか?」


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