社長は身代わり婚約者を溺愛する
信一郎さん。その言葉、一番……

欲しかったものだよ。


私は信一郎さんの身体に、腕を回した。

「礼奈……」

信一郎さんの顔が、近くにある。

あっ……キスする……?


「仲直りしたのか?」

私と信一郎さんの身体が、ビクッとなる。

「お、お父さんっ!」

私達は慌てて、身体を放した。

「やり直したのかって、聞いてるんだよ。」

「は、はい!」

信一郎さん、お父さんの前で緊張している。

「ふーん。礼奈は、いいのか?」

「あっ……」

私は、信一郎さんをふと見た。

その時、信一郎さんは温かい笑顔をくれた。


この笑顔……最初に会った時と同じだ。


「うん。そうだね。」

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