社長は身代わり婚約者を溺愛する
何だかいつもの彼女とは違う。

まあ、お嬢様の中では私なんて、蚊帳の外なんでしょうけど。

「本日は、お招き頂いてありがとう。」

「こちらこそ、来てくれてありがとう、礼奈。」

芹香は、私とも握手をした。

「来ないかと思ったわ。」

芹香は、寂しそうに言った。

「嫌ね。芹香の誘いなら来るわよ。」

「ふふふ。」

芹香は目が笑っていなかった。

何か、企みがあるの?


「ねえ、芹香。この発表したい事って何?」

「それはね。」

芹香は私に近づいた。

「後のお楽しみ。」

そう言って芹香は、他のお嬢様を見つけ、また挨拶に行ってしまった。


「忙しいわね、芹香さん。」

香澄さんが、パーティー会場を指さした。

「ええ。」

私も香澄さんに付いて、パーティー会場へと足を踏み入れた。

たくさんのテーブルが並ぶ中、後ろの方にたくさんの食事が用意されている。

「礼奈さん、芹香さんのパーティーに来た事ある?」
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