社長は身代わり婚約者を溺愛する
そして周りは拍手の渦になる。

私も何となく、拍手をした。

「さて、今宵は芹香お嬢様から、大事な発表がございます。」

そして芹香が、登壇した。


何だろう。このモヤモヤした嫌な気持ち。

「皆さん、私の方からぜひ、ご紹介したい方がいらっしゃいます。」

そしてまた盛り上がる周囲。

「では、どうぞ。」

芹香に紹介されて登壇したのは、信一郎さんだった。

「信一郎さん?」

「あら、お知り合い?」

「ええ、信一郎さんは私の……」


その時、信一郎さんの挨拶が聞こえて来た。

「黒崎信一郎と申します。本日は、皆さんにお会いできて光栄です。」

信一郎さん、少し緊張しているけれど、この場を楽しんでいるみたい。

「彼、素敵な声をしてるわね。」

「え、ええ。」

「芹香さんも、いい人を見つけたわね。」

「えっ?」

香澄さんがふっと笑った時だ。


「実は、私達。婚約致しました!」

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