社長は身代わり婚約者を溺愛する
芹香の嬉しそうな声が響く。
会場からは、拍手喝采が送られる。
どういう事?
信一郎さん、芹香と婚約したって!
その時、信一郎さんと目が合った。
私は慌てて、パーティー会場から出た。
「と言う訳でございまして、今から芹香お嬢様、信一郎さんの婚約パーティーとさせて頂きます。」
司会の人の案内を、背中で聞いた。
「待ってくれ、礼奈!」
信一郎さんの声が聞こえて、空耳かと思ったら、腕を捕まってしまった。
「俺も驚いているんだ。」
「でも、何もしていないのに、芹香がこんな事をするわけない。」
「本当に何にもないんだよ。パーティーに出席して欲しいって言うから、来ただけなんだ。」
と言う事は、芹香の作戦勝ち?
私は、笑えてきた。
「こんな大勢の人に、婚約者だって紹介されたら、もう断れないじゃない。」
信一郎さんは何も言ってくれない。
「もう私達、終りね。」
「礼奈!」
「さようなら、信一郎さん。」
信一郎さんの手をすり抜けた腕が、やけに冷たかった。
会場からは、拍手喝采が送られる。
どういう事?
信一郎さん、芹香と婚約したって!
その時、信一郎さんと目が合った。
私は慌てて、パーティー会場から出た。
「と言う訳でございまして、今から芹香お嬢様、信一郎さんの婚約パーティーとさせて頂きます。」
司会の人の案内を、背中で聞いた。
「待ってくれ、礼奈!」
信一郎さんの声が聞こえて、空耳かと思ったら、腕を捕まってしまった。
「俺も驚いているんだ。」
「でも、何もしていないのに、芹香がこんな事をするわけない。」
「本当に何にもないんだよ。パーティーに出席して欲しいって言うから、来ただけなんだ。」
と言う事は、芹香の作戦勝ち?
私は、笑えてきた。
「こんな大勢の人に、婚約者だって紹介されたら、もう断れないじゃない。」
信一郎さんは何も言ってくれない。
「もう私達、終りね。」
「礼奈!」
「さようなら、信一郎さん。」
信一郎さんの手をすり抜けた腕が、やけに冷たかった。