社長は身代わり婚約者を溺愛する
お母さんも驚いていた。

「じゃあ、正式に二人は婚約したって事?」

「そうみたい。」

足をぎゅっと組んで、作り笑いをした。

お母さんには、心配かけたくない。


その時、芹香の気持ちが、少しだけ分かった気がした。

芹香だって、お母さんを想って、信一郎さんとの結婚を受け入れた。

芹香。私、芹香には幸せになって欲しいよ。

信一郎さんとの結婚で、芹香は幸せになるの?


「何だか、信一郎さんには、がっかりだわ。」

お母さんは、ため息をついた。

「礼奈と結婚するって言っておいて、結局芹香ちゃんと二股かけていたのね。」

「そうじゃない。芹香が強引に、結婚を進めたのよ。」

「でも、信一郎さんには断れたじゃない。」

「断っても、芹香が分からないのよ。」

「ええっ⁉」

芹香、どうしてしまったの?

どうすれば、分かってくれるの?


その時、お父さんが家に戻って来た。

「おい、信一郎君が来たぞ。」
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