社長は身代わり婚約者を溺愛する

第24話 どうして邪魔するの

信一郎さんの両親への挨拶を済ませ、私は再び、信一郎さんの車に乗った。

「よかった。両親にも認めてもらえて。」

「半ば強引だったけれどね。」

私と信一郎さんは、顔を見合わせ笑った。

「それにしても、おじい様にあんな話があったとはね。」

「聞いた事なかったの?」

「ああ。今日、初めて聞いた。」


おじい様と別れた女性、どんな人だったんだろう。

やっぱり辛かったんだろうなぁ。

好きな人と別れるって。


車は街を抜け、私の家の前にやってきた。

「送ってくれて、ありがとう。」

「いいや。当然の事だよ。」

信一郎さんを見つめると、そっと顔が近づいてきて、私達はキスをした。

「礼奈。遅くなったけれど、聞いて欲しい事があるんだ。」

「なあに?」

キスの余韻で酔っていると、信一郎さんは私の頬に手を当てた。

「俺と、結婚してくれないか。」

私の胸が躍った。

「もちろんよ。」

私は信一郎さんの胸の中に飛び込んだ。
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