社長は身代わり婚約者を溺愛する
「私の知っている芹香は、自分を持っていて、決して周りに流されない人だよ。」

「ふふふ。」

芹香が意味深な笑いをする。

「そして、自分の母親を犠牲にする人?」

「そんな事っ!」

ないって言えない。

芹香から、お母さんの事聞いた事ないけれど、大切にしているって思っていた。


「芹香……」

涙が出て来た。

彼女にとって最良の道が何なのか。

一緒に考えてあげたい。

そう思ったら、彼女を抱きしめていた。

「私、芹香の力になりたい。」

芹香は、何も言わない。

「だって、私達友達でしょ!」

私の訴えは、芹香に届くのか。

「……いい加減にして。」

私はハッとした。

「私の人生、邪魔しておいて、何が力になりたい?何が友達なの?」

「芹香……」

「もう離れて!」

芹香が私の身体を引き離した。
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