社長は身代わり婚約者を溺愛する
そんな事を考えながら、お父さんの手伝いをしていると、工場の外に車が停まった。

「あっ、信一郎さんの車だ。」

大変だからって、会いに来てくれたんだ。

嬉しくて、工場の外に出ると、数人の人が信一郎さんの周りにいた。


「よう、礼奈。手伝える人、集めてきたぞ。」

「えっ⁉」

よく見ると、若い人達ばかり。

「これは……」

「俺の会社の若い奴ら。こういう仕事もやってみたいって。」

ひええええ!

一気に人が増えた。

「派遣が決まったら、使える人達が来るんだろうけど、それまではこいつらで我慢してよ。」

「ははは……」

私は、若い人達に笑顔を見せた。

「今日は来て頂いて、ありがとうございます。早速だけど、手伝ってくれますか?」

「はいっ!」

どうやら、やる気はあるみたい。

よかった。やる気がなかったら、悲惨だったよ。

「では、こちらに。」

工場の中を案内して、お父さんの元に連れて行った。


「ええ?仕事の手伝いに?」

お父さんも驚いている。

「まあ、基本流れ作業だから、大丈夫か。」
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