社長は身代わり婚約者を溺愛する
『芹香?何かあったのか?』

「……ううん。そうだ、今度のデートどうしようね。」

『その事なんだけど……』

信一郎さんが、真剣な話をしようとしているのが、分かった。

『ホテルのスィートを取ろうと思っている。」

「そんな高いところ?いいよ。」

『よくない。そこで、俺達は忘れられない一晩を過ごすんだ。』

胸がドキドキする。

「まさか……」

『そう。俺は芹香を抱く。』

胸が大きく鼓動を打った。


『いいね。』

「……うん。」

『じゃあ、おやすみ。』

「おやすみなさい。」

電話が切れた後も、私の心臓は鼓動を繰り返していた。


信一郎さんに、抱かれる。

それもいいかもしれない。

最後の一晩に、スペシャルな贈り物を。

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