海色の世界を、君のとなりで。

「……なんでベンチの人に、そんなこと言われなきゃならないわけ」


まだ顧問の先生やキャプテンや真波さんに言われたほうがよかった。

なんなら星野でもよかったかもしれない。

それなのに、よりによって、どうしてこんな人たちに。


「……は?」

「どういうつもり」

「そっちの方がよっぽど酷いじゃん」


顔を赤くして真っ直ぐにわたしを睨みつけた三人は、「栞ばっかり、狡い」と口を揃えて呟いた。


「うちらだって努力してるのに」

「どうしてたいして頑張ってない栞にとられなきゃいけないの」

「あたしたちだって、試合に出たいんだよ」


濁流のように押し寄せた気持ちは、両者ともに止まるはずがなかった。

心の奥底に秘めていた汚い感情が、混ざり、まざる。
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