海色の世界を、君のとなりで。

「ははっ」


そんな夢物語に、思わず自嘲的な笑みが洩れる。

ありもしない、叶いもしない、そんな夢をみているのだ、わたしは。


「……弱いなあ、わたし」


言葉にして輪郭を持たせると、余計に胸の奥に刺さるものがあった。

それでも、言わずにはいられなかった。

自分を罵倒する言葉をつらつらと並べていく。


「惨めだな。何やっても上手くいかない。結局人のこと傷つけて、生きてる価値あるの?」


唇から溢れるものは、わたしが言われたくない言葉だ。

人に言われたくないからこそ、自分で口にすることで、どん底まで自らを追い込む。

その方が、はるかに楽だった。

人から言われるよりも、ずっと。
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