海色の世界を、君のとなりで。
中山さんたちのグループとわたしが対立し、それを庇って可奈まで巻き込まれそうになっている。
特に中山さんたちは学年でもいわゆる"陽キャ"と呼ばれるところに属していて顔が広く、バックには敵に回すと厄介な人物が何人も潜んでいる。
きっとわたしの知らないところで既に悪口大会が開催され、あることないこと話が盛りに盛られて広い範囲に伝わっているのだろう。
悪口や噂話の場合、きっかけの善悪なんて関係ない。
大切なのは、「誰が」話すかだ。
仲が良い子が嫌な思いをしたのなら、出来事に関係なくつい同調したり共感してあげたくなる。
そういう面では、たとえわたしなんかが数少ない友人に中山さんたちの悪口を言ったところで、圧倒的人脈と確固たる権力の持ち主である中山さんたちに敵うはずがなかった。