海色の世界を、君のとなりで。
嫌味がなくて、嫉妬すらもまったくないんだろうなと思う。
純粋で、穢れなくて、心が綺麗なんだなと、彼女の性格の良さを改めて痛感した。
同時に、彼女を傷つける存在から何が何でも守り抜こうと誓った。
今回ギクシャクしたのは可奈を庇ったのがきっかけであっても、口論の内容はほぼわたしのことだ。
負い目を感じてほしくないから、中山さんたちとの出来事は隠し通すつもりだ。
「ありがとう」
ふうっと息を吐いて、まっすぐにゴールを見つめる。
応援してくれる人がいる。
期待してくれる人がいる。
バスケを続ける理由がまだ分からないのなら、まっすぐに応援してくれる彼女のために、わたしはその期待に全力で応えよう。
先輩、後輩、そして出たい気持ちを強く持っている同級生のために。
『しおりちゃんは大きくなったら、バスケット部に入るの?』
『うんっ!』
────大好きなお母さんのために。