時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第十三話 図書館は

夕食の後、オズワルド様が図書館に連れて行ってくれることになった。

今夜も眠れそうにないし、代々続く図書館には興味があった。



すごく楽しみだった。



オズワルド様に連れられて玄関に行くと、リンクスが、止めた方が、という表情になっていた。

夜はやはり、ご迷惑だろうかと思った。



「オズワルド様、ご迷惑でしたら明日でも構いませんよ」

「いや、迷惑ではないよ。……少し古いが……」

「きっとご立派なのでしょうね。代々続く図書館と聞いています」



ワクワクしながら、オズワルド様と二人で図書館に向かうと、段々怖くなった。



外は、真っ暗で邸内とは全く雰囲気が違った。



敷地内の庭なのに図書館へ近付くにつれて、植物が闇のように黒い!

絶対お化けが出そう!



「……オズワルド様、邸から近いのに真っ暗ですよ」

「図書館は人が近寄らないからな。使用人もリンクス以外は入らない。ここら辺は、特に図書館は闇の魔素が強いから植物は闇のように黒く、皆が不気味だと近づかないんだ。怖いなら掴まっていいぞ」

「も、もう少し頑張ります」



不気味……。

歴史ある図書館ですからでしょうか。

お父様から図書館があるとは聞いたことがあるけど、中の様子は聞いたことはない。



図書館の前に着くと、足が止まってしまった。



図書館は灯り一つ点いてない。

何故か、屋根には黒い鳥がギャアギャアと鳴いている。



「大変です。オズワルド様」

「どうした?」



冷静に言おうとしたが無理だった。



「こ、怖くて一人で入れません! ヘルハウスじゃないですか!? お化け屋敷ですよ!」



私は図書館に来たはず!?

肝試しじゃないですよね!?



「これが、ブラッドフォード家の図書館だよ。まあ、誰も入りたがらないからな」



けろっと言わないで下さい!



周りの真っ黒の草木が、風に晒されてか、ガササッと揺れると本当に怖い!



思わず、キャアとオズワルド様にしがみついてしまった。



「一緒に行くから安心しろ」

「お化け!お化けは出ますか!?」

「邸の中は出ないぞ。ここら辺だけだ」

「出るんですか!?」

「たまにぐらいだし、悪さをするようなゴーストは来ないから大丈夫だ。ぼやっとした白いのが通りすがるくらいだ」

「ま、魔法は? 光魔法で浄化しないんですか!?」

「浄化するほどは出ないからな。大体俺は光魔法は使えん」

「お化けがニヤリと出てきたらどうするのですか?」

「だから、そんなハッキリとしたゴーストは出ないから大丈夫だ」



それでも、怖い!

見たことないけど、怖いですよ!



「怖いなら止めとくか?」



ここまで来て、帰ったら負けた気がする。

でも怖い!



「い、一緒に行ってくれますかっ!?」

「勿論一緒に行くが……大丈夫か?」

「が、頑張ってヘルハウスに入ります!」

「ヘルハウスじゃなくて図書館だ」

「し、失礼しました。一緒に行って下さい! すぐに慣れるように頑張りますから!」

「では、行こうか」



オズワルド様は、笑いを堪えているように少し笑っていた。



「わ、笑わないで下さい…」



私はオズワルド様の腕にしがみついて、恥ずかしながら言った。



「悪かった。笑わないから離れるなよ」

「怖いから絶対離れません」



そして、夜に来るんじゃなかったと後悔しながら、オズワルド様の腕にしがみついてヘルハウスのような図書館に二人で入った。

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