時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第二十一話 蜜月を期待する

リディアと遅い朝食を摂った後、リディアは今は部屋で本を読んでいる。



スヤスヤと眠るリディアは可愛いかった。

しかも、今夜はリディアと一緒に寝られる理由が出来た。



蜜月を期待したい!



思わず、拳に力が入ってしまう。
期待したいが、多分まだ無理だろうなとも思う。



それに、カレンはああ言ったが、恐らく俺の魔力をリディアが持っていれば、一人でも多少は寝られるのでは、とも思う。



そう考えていると、リンクスが部屋にやってきた。



「本当に一人で行くのですか? 俺は行かなくていいのですか?」

「何もないと思うが、リンクスは邸にいてくれ。それに、大きな魔水晶は採らないから一人でいい」



ブラッドフォードには管理している魔水晶の鉱山がある。

魔水晶は、色んな用途があるが魔力を補える。

俺の魔力を定期的に魔水晶に貯めておけばリディアが少しでも眠れるかもしれん。

その為には、質の良い魔水晶がいる。

だが、質の良い魔水晶は奥にあり、奥は俺の許可なく入れない。

人に頼むよりは、自分で行った方が早い為に今から行くことにした。



「準備が出来たら、リディア様に声をかけて来ますね」



リンクスがそう言い、リディアを呼びに行った。

俺がリディアに見送りして欲しいのを察したのだろうか。



リンクスが呼びに行くとリディアはすぐに廊下に出てきた。



「オズワルド様、今からお出掛けすると聞きました」

「少し出てくる。リンクス、見送りはリディアだけでいい。仕事に戻れ」



リンクスは「わかりました」とリディアと二人にしてくれた。



「何だか、品の良い冒険者みたいな姿ですね。危険はないのですか?」

「初めて行く所ではないし、問題はないな。行きたいのか?」

「まあ、興味はありますけど」

「行きたいなら連れて行ってやるぞ。守ってやるから一緒に行くか?」



まあ、リディアは行くとは言わんだろうな。



「行きませんよ。私が行っても役に立ちませんし」

「お前……面倒くさいだけだろ」

「……考え過ぎですよ」



その作り笑顔は絶対面倒くさいだけだな。



「帰りは遅いから、先に夕食は摂っていいからな」

「そうですか。気をつけて下さいね」

「ああ、では行って来る」



そうして、リディアに見送られながら、一人鉱山へと行った。




< 21 / 100 >

この作品をシェア

pagetop