とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
電車に乗って駅へ着くと、少しの息苦しさと動悸を覚えた。
そこまでひどいわけではないし、ここから邑木さんのマンションまでの距離はさほどない。
それでも不安になり、コンビニで水を買った。


邑木さんに、連絡するべきだろうか。


車を飛び出したあと、すぐに邑木さんから着信があった。
もちろん電話には出ていない。
スマートフォンの電源は、それからずっとオフにしたままだった。


かけようか。かけまいか。かけようか。かけまいか。


足を一歩一歩進めながら交互に考えていると、すぐにマンションについてしまった。
この無機質なマンションを、こうして見上げるのはこれが最後かもしれない。

0.2パーセントの半分にさえも満たなかったな。

わたしはふたたび足を進め、やっと慣れはじめたエントランスの鍵を解除した。
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