ストロベリーキャンドル
「後何か聞きたいこととかありますか?」
先生の名札を見る。『佐川』と書いてあった。
「先生の名前佐川ですか?」
「あー自己紹介まだだったね。佐川宙です。年は35歳」
佐川宙先生…35歳…若い
「佐川先生…ありがとうございます。」
「いえいえ」
「他にありますか?」
他…嶺緒のこと聞いてもいいのかな?
「先生」
「なんですか?」
言ってもいいのかな?
「れ....嶺緒は大丈夫ですか?」
「結城さんはまだ目を覚ましていません…まだしばらくかかるかもしれません」
「そ…そうですか…」
早く目を覚まして…
「以上で大丈夫でしょうか?」
「はい…」
「では…お大事に」
そう言って先生と看護師さんは病室を出て行った。
先生が出て行った後、お母さんがお父さんに連絡を入れた。
30分後…
──ガラガラ
「「月葉!」」
「「お姉ちゃん!」」
「みんな!」
お父さん、お兄ちゃん。湊斗、音羽が病室に入ってきた。
「よかったよ。目が覚めて…」
「ごめんね。心配かけて…」
「大丈夫だからゆっくり休んで」
「お兄ちゃん…ありがとう」
お母さん、お父さん、お兄ちゃん。
優しい家族に生まれてよかった。
「お姉ちゃん」
「なぁーに?音羽」
音羽が話しかけて来たと思ったら今度は音羽が持ってきたバックの中を漁り出した。
「湊斗!手伝って!」
「わかった!」
「「はいっ!これあげる」」
二人でバックの中から千羽鶴を出して私にくれた。
「ありがとう!二人で作ったの?」
「ううん。お兄ちゃんも手伝ってくれた。あとは澪緒姉ちゃんも!」
「嶺緒兄ちゃんの分も四人で作ったんだよ!」
「そっか。ありがとう。大事にするね」
嶺緒…早く目を覚まして…お願いします神様…1日でも早く嶺緒が目を覚まして元気にしてください…お願いします…