ストロベリーキャンドル
「すげーな…全員分分かるなんて。尊敬する」
「まーこれだけ長い時間いればね。自然と分かるんだよ」
「凄い…あー俺はどうしよう…えっとー」
嶺緒は隣ですごい悩んでる…
私もどれにしよう…この間は、ノーマルのアイス食べたからー…
「えっとーこれにしよう!」
と言って、今までで食べたことがないようなやつをカゴに入れた。
「えーじゃあ俺はーーこれにしよっと!」
「あーそれ美味しいよね!」
「マジで!!楽しみだな!」
とわちゃわちゃしながらレジに行った。セルフレジだから、どんどんと会計を済ませていく。そして会計が終わって、私たちは家に向かった。
「あーもう7月になるのかーー早いなー」
「そっかーもう夏だね」
蒸し蒸しとしていて、夜なのに暑い。半袖そろそろ出さないとなー
「なー月葉」
「何?」
嶺緒に名前を呼ばれて、嶺緒の方を向く。
「なぁーあのさ、俺と付き合っているっていう話なんだけどさ」
「う…うん…」
今ここでその返事されるの?こんなに暑い日で、アイスを持っているのに?なんかドキドキしてきた。
「はっきり言って、前の俺が月葉に恋心があったのかもしれない…その気持ちはなんとなくわかる」
「うん…」
「でも、今の俺は月葉を大切な幼馴染としか思えない」
「…」
あーやっぱりそうなるか…振られちゃったか私…
「病院で目を覚まして、最初に俺の名前とか教えてくれてのは月葉だった…」
「うん…」
「幼馴染で彼女なのに…記憶がない俺に優しくしてくれた…」
「う…うん…」
私の目にも嶺緒の目にも…涙が溜まっていく…
「月葉のことは…大切に思っている…でも、月葉と付き合っていたのはもう一人の俺…」
「…」
「だから、月葉とは付き合っていられない…」
あぁ──振られちゃった、私…
「ごめん…」
そういう嶺緒の方を見ると涙が流れていた…そんな嶺緒の姿見たら私も涙が止まんないよ…
「でも、月葉には俺の隣にいてほしい…前の俺には申し訳ないが…今の俺はそうしてほしい…」
「う…ん…」
れお…嶺緒…大好きだよ…別れることになっちゃったけど…大好きだったよ…別れちゃうけど、嶺緒の隣にいさせてくれない?もし…嶺緒に記憶が戻ったときには…隣にいたい…隣にいて…伝えたいことがある…だから…これからは…前と同じで…ただの幼馴染として…隣にいさせて…嶺緒…その後私たちは、家に戻った。
アイスをみんなで食べたけど…嶺緒の方を見ることはできなかった。