ストロベリーキャンドル

二人とのラインを終えて、私はすぐには眠らなかった。漫画を読んで、動画を見て。12時になったときに私は嶺緒の部屋が見える窓を開けた。嶺緒の部屋は、電気が消えていた。

いつもなら電気がついているけど、退院したばっかりだから寝ちゃったのかな?

──ガラガラ

窓が開いた。

「あっ!!びっくりしたー誰かと思った」

「誰かって私しかいないでしょ!隣の家私の家なんだから」

「それもそっか!というかお前いつまで起きてんのか?」

「もう寝るよ…そっちこそ暗い中何してたの?」

「リビングにいたんだよ。父さんと話してた」

「そっか…」

嶺緒、おじさんと話したのか…なんの話をしたんだろう…

「明日からの学校の話」

「えっ!?」

びっくりして嶺緒の方を向いた.

「えっ!?もしかして私、声に出てた?」

「いいや…出てなかったけど、こうゆうこと考えてるのかんなーって思った」

「すご!!」

へへっという嶺緒は前の嶺緒と似ていた…最近だんだん前の嶺緒に戻りつつある。

最初は一匹狼みたいな感じだったけど、前みたいに話しやすくなったと思う。

「そっかー、明日からまた学校かー。嶺緒が学校にいるのって、なんか久しぶり」

「そうだよねー。でもみんなが俺の記憶がないことを知っているのかな?」

「知らない人もいると思うよ。でもクラスの人と部活の人には先生が言ってた」

「そっか…でも楽しみだなー」

「じゃあ早く寝ないとだね!おやすみ」

「おやすみ」

──ガラガラ

ドアを閉めた後、私は布団に潜った。その中で色々なことを考えた。明日からの学校で、嶺緒が普通に通えるのか…みんなと馴染めるのか…

嶺緒は心配してなさそうだったのに、私が緊張している。でも、嶺緒ならなんとかできちゃいそう。

私が心配しなくても、一人でどんどんなんでもこなしちゃう人だから。

だから、大丈夫。私が心配する必要なんてない。私は、嶺緒の役に立つように頑張る!そんなことを考えながら、眠った。
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