ストロベリーキャンドル

翌日…私は嶺緒と一緒に学校に行った。嶺緒は相変わらずだったけど、どこかしら緊張している様子だった。学校に着くと流が迎えてくれて、3人で教室へ向かった。教室ではみんなが暖かく迎え入れてくれた。嶺緒も最初は一匹狼みたいになっていたけど、学校が終わるときにはすっかり平気になっていた。

「朝よりも全然平気。みんな俺のこと理解してくれているようだったし」

「みんな嶺緒のこと大好きだからねー」

「本当に感謝してる」

「そっか.....」

嶺緒が楽しそうにこうやって話してくれるだけで、私は嬉しい。

「あっ!そうだ。明日から流と一緒に学校行くことにしてから」

「そうなんだ!わかった」

嶺緒は流と前みたいに仲良くなって来ている。それはもちろん嬉しいこと…なのになぜかちょっと寂しい気持ちになる…

「じゃあまた明日ね」

気づいたらもう家の前に着いていた…

「じゃあ.....バイバイ」

そう言って、私は家の中に入った。嶺緒が変わっていくことは悲しいけど嬉しいことでもある。理由は、簡単にいえば男子高校生らしくなったから。

元々男子高校生らしかったけど、いくら幼馴染で付き合っていると言っっても、ずっと一緒にいて私たち女子の色にちょっと染まっていた。

だから、男子たちといるようになってからちょっと嶺緒の顔が変わったような気がした。嶺緒とずっと隣に居られなくなったのは悲しい…だけど嶺緒が変わってきている…少しずつかもしれない…でも確実に変わってきている。

隣に居たからこそ分からなかった変化が見えるようになった。それはそれで、面白いと思う。

──ガチャ

「ただいまー」

お母さんが帰ってきた。そういえば今日音葉と湊斗帰ってくるの遅いよね?

「おかーさん。今日音葉たち帰ってくるの遅いけどー?」

洗面所にいるお母さんに大きな声で話しかけた。

「あぁー、あの二人なら遥の家にいるよ。澪緒と一緒に帰ってきたらしい」

「あぁーそうだったんだ」

それなら納得する。あの3人は本当に仲がいいから。

「あぁ〜それでさ、今日は一緒にご飯食べるから」

「あーそう....ってえぇーー」

嶺緒っち家と一緒にご飯食べるの!?こんな状態なのに!?マジで…

「何にそんなに驚いてんの?いつも一緒に食べたりしてたじゃん」

「そりゃあーそうだけどさ」

お母さんは知らない…私たちが別れているのを…でも行かなかったら行かなかったで、なんか変に思われそうだからなー行くしかないよね…

「どこで食べるの?」

「それはまだ決まっていないけど、奏斗もいるから」

そっかーって、お兄ちゃんもいつまで私たちと行動するの!?そろそろ彼女でも作りなよ…妹ながら同情するよ…かわいそうな人生だな…私もいえないけど…

「とりあえずそうゆうことだから、早く宿題を終わらせときなさい!」

「はーい」

宿題かぁー…今日はそんなに出ていないんだよね。でもとりあえず部屋に戻るか。
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