ストロベリーキャンドル

・・・

2年生が始まって1週間が経った。この1週間は特に何もなく普通の生活を送っている。でも、大事な任務の日が徐々に近づいてきている。

『4月20日』私と嶺緒の17歳の誕生日。

いつもこのくらいの時期にプレゼントを買っている。今年はどうしよう。

「なに暗い顔してるの?」

「今年の嶺緒の誕プレを悩んでるの」

「あーもうそんな時期になったんだね」

「瑠奈〜何にしたらいいと思う?」

去年は何あげたんだっけ?財布だっけ?あの財布今も使ってくれてるから嬉しいんだよね。また使ってくれるものをプレゼントしたいな。調べてみよっかな。

スマホをポケットから取り出して[高校生 男子 プレゼント]で調べた。どんどん下にスライドをさせていく。

「あっ!」

スライドさせていくといいものがあった。

「ね〜キーケースってどう?」

「キーケース?」

「そう。いいと思うんだけど」

嶺緒はよく鍵を持っているし、色々調べてみたら近所のショッピングモールでオリジナルで作れるらしい。これで決定にしよっかな。記念にもなるし、気持ちが伝わると思うから。これに決めた!!

「ねー2人とも一緒に着いて来てくれない?流石に私1人で作りにいくのに抵抗がさるからさ。お願い!」

「私は別にいいよ。今日は部活ないし」

「私は今日ミーティングだけどすぐに終わると思うから遅くなってもいいなら」

「2人とも〜」

私はいい友達を持てて幸せ者だと思う。昔からの付き合いなのにこうやってついて来てくれる優しさが胸に響く。

──放課後...

「ここ?」

「ネットに書いてある限りここだね」

「高そうだけど、大丈夫?」

目の前にあるのオシャレな雰囲気しかないお店。こんなところでキーケースを作れるの?って思うくらい凄い。

「でも、ここって書いてあるから。お店の人に聞いてみようよ」

「そうだね。そうしないと始まらないもんね」

「あそこにいる若い女の人は?話しかけやすそうだよ」

「よし、じゃあ行こう」

私たちは3人で一歩お店に踏み入れた。

「いらっしゃいませ、何かお探しでもありますか?」

「すみません、あの。ここでオリジナルのキーケースを作れると聞いたのですが...」

「あっ、キーケースをお作りになりたいのですね。こちらへどうぞ」

店員さんに連れられて店の奥のスペースに行った。

「こちらにお掛けになってください」といったまま、店員さんは色々な資料を探し始め私たちのいる場所に戻ってきた。

「えっとですね、まずどんなのを作りたいなどの希望はありますか?」

「特に考えてません」

「では、こちらの中からお好きな形、生地の色をお探ししてもらってもいいですか?」

そうして渡された4枚の紙。一枚はキーケースの種類が何種類か載っていて、あとの3枚は色だった。種類から見始めたけど種類がありすぎて迷っちゃう。

「すごい、キーケースにこんなにも種類があったんだ」

「それな、全部同じだと思ってた」

「ねーこの中でどれがいいと思う?」

とりあえず私がぱっと見で選抜した形を2人に見せた。決断力が異常に早い輝羅なら多分すぐに決めてくれると思うし..
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