続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「親父の言うこと間に受けんなよ、美弥は他の女にないモノ持ってる。俺が1番欲しいモノ」

俺は、こぼれ落ちそうな美弥の涙を掬い取りながら、ふっと笑った。

「美弥は、俺が何も持ってなくても、俺を見てくれる。俺の為に泣いてくれる。肩書きじゃなくてさ、俺っていう人間を見てくれるから」

「颯……」

美弥の額にコツンと自身の額を合わせた。

俺が、不安になったり、寂しくなったとき、よく、母さんがこうしてくれた。

「……なぁ、俺が、副社長辞めたらどうする?」

美弥の瞳が、少しだけ大きくなって、すぐに細められた。

「颯が、居たら何にもいらない」

「俺も、美弥しかいらない」

俺達は、顔を見合わせて笑い合う。

美弥の答えなんて分かってたのに、答え合わせして、子供みたいに喜んでる俺の事知ったら、美弥は何て思うだろうか。

俺も、こうやって美弥と居られたらそれだけで幸せだ。抱き合って笑い合うだけで、堪らなく幸せで、ただ、側で笑ってくれる美弥が愛おしい。
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