続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「何の用だよ」

俺が、明日からの仕事の相談を、千歳や実花子にする為に、携帯電話使用可能エリアに来ることが分かっていたんだろう。

「入院は?怪我は治る?」

麗夜は、壁に、もたれたままだ。

「入院は三日。治るまで、2週間」

「そう……」

「美弥は、何度聞いても、自分で転んだ、自分が悪かったから、の一点張りで参ってる。これ以上、お前を殴る理由がなくて」

俺は、麗夜と視線を合わせると、拳を握りしめた。正直、一発じゃ物足りない。美弥が俺の義兄というだけで、麗夜を庇うなら尚更だ。

「……申し訳なかった……」

麗夜は、ボソリと呟くと、視線を床に落とす。麗夜が俺に頭を下げている事に気づいて、思わず一歩下がった。

「……何だよ……調子狂うだろ」

麗夜は、視線を戻すと、休憩スペースの長椅子に長い脚を放り出すようにして座った。

「……図星でね」

「は?」

俺は、人1人分のスペースを空けて麗夜の隣に座った。麗夜の隣に座るなんて、いつぶりだろうか。


「隣同志に座るのは、あの日以来だね」


(……あの日……あぁ、あの日か……)
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