続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
俺の戸籍を、正式に安堂家に移す事が決まり、父さんに連れられて、本家に挨拶に行った時、以来だろう。

本家の奴らが、俺を見てニヤついてる中、麗夜の綺麗なブロンドの髪がやけに目についた。そして皆が腫れ物を触るかのように、一人ポツンと浮いていた麗夜の事を思い出す。

あの時、愛人の子とはいえ、父さんの血を引いてる俺が現れて、母親を失ったばかりの麗夜はどう思っただろうか。

「正直、颯が安堂家に来て、僕は絶望感でいっぱいだった。母さんもいない。父さんとは血が繋がってない。僕が唯一持っていた、安堂不動産の跡取りという肩書きも、お前のせいで、あっという間に消えたしね」

麗夜は、ジャケットのポケットからコーヒーを取り出すと、俺に、ぽいと渡した。俺がプルタブを開けるのを眺めながら、自分の手に持っていた缶コーヒーのプルタブも開ける。

「血は、水よりも濃いとかって言うけどさ、本当その通りだなって。皆、僕の周りから居なくなった……父さんさえも」

「だから、俺の事恨んでんだろ。愛人の子とはいえ、あの親父の血だけは、入ってるからな」

吐き捨てるように言った俺の言葉に麗夜は、ふっと笑った。

「それだよね……ただ、妬ましかったんだ。血が入ってるってだけで、周りからチヤホヤされて、地位が約束されて、父さんからも期待されるお前がね。でも、平民女に言われて気づいた……お前もしんどいってこと」


「別に……しんどくない」
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