続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「え?……颯?……それどうゆう意味……?」

「また今度教えてやる」 

「颯?」

口を尖らせた美弥の唇を、ツンと人差し指で弾いて、俺は口角をあげる。

「安心しろよ、副社長も辞めねぇし、会社も麗夜に渡さない。あのクソ親父、黙らせる位、バンバン仕事の成果あげてるやるよ。絶対、美弥と結婚するから」

美弥が、俺を見上げると、俺の頬に小さな色白の掌で触れた。

「颯……私の為に……無理しないでね」

「美弥もな、一人で泣かずに、俺に何でも言えよ?」 

「うん」

美弥は、俺から掌を離すと、小さく頷いて、にこりと笑った。

そして、下唇を少し噛んでから、美弥は、意を決したような顔で、俺を真っ直ぐに見つめた。

「あとね……颯、さっきは、ありがとう。凄く嬉しかった。……家族に、なってくれるって言ってくれて……ずっと、ひとりぼっちだったから……」

大きな黒い潤んだ瞳に、小さく可愛らしいピンク色の唇を一生懸命に小さく動かしながら、美弥が、言葉を紡いでいく。

「私も……いつか、颯と家族になりたいな」

美弥は、そう言い終わると俺のワイシャツの裾をぎゅっと握った。
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