続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「もう意地悪しない?」

「ごめん……意地悪もするし、また抱くと思うけど……美弥が、嫌がる時は、なるべく我慢するから」

そう、いつもの美弥なら、多少の意地悪も、俺の強引なセックスも最後は、受け入れてくれるのに、今日に限って頑なだった。

毎晩、しつこく抱いてるならまだしも、俺の記憶が確かなら、ここ十日は、あまりにも仕事が多忙で、帰宅したらシャワーを浴びて、先に眠っている美弥の隣に寝転んで、即寝だったはずだ。

「……時間なくなっちゃった……ひっく……」

「えっ?美弥?」

時間がないというのは、二人で過ごすイヴの時間の事だろうか?

もしかしたら、美弥は、イルミネーションとか、夜景とか、イヴというこの日に、俺とどこか行きたかった場所が、あったのかもしれない。

大きな瞳から、ボロボロ涙を溢す美弥を胸に抱え込むと、俺は、華奢な背中をトントンと摩った。

「あー……マジでごめん。泣くほど、俺とシたくないと思わなくてさ。ほんとごめんな、どっか行きたいとこあった?」

「ひっく……違っ……」

美弥の涙を、親指で掬いながら、美弥の頬に触れる。掬っても掬っても、大粒の涙は転がり続けるばかりだ。

「……頼むから、泣き止んでくれない?美弥に泣かれたら、マジでキツい」


「……ビーフシチュー……」

「え?」
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