続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「へぇ、そこで砂糖入れんだ」

「うん、白いお砂糖じゃなくて、きび砂糖が、ポイントなんだよ」

美弥は、大きな猫のイラストがプリントされているエプロン姿で、木杓子片手に、人差し指を立てた。

「颯、パン焼いてくれる?」

「これ?このさっき美弥が、切ってくれたフランスパンをオーブンに入れたらいいの?」

料理慣れしてなれけば、料理慣れするつもりのない俺は、ワイシャツを腕まくりしたものの、美弥に言われるがままに、キッチンをウロウロしていた。

そんな俺を、一足先に食事を終えたミャーが、冷めた目をしながら、猫型ベッドから、鼻先だけ出している。

「うん。あ!颯、くれぐれも火傷しないでね」

美弥が、心配そうに、鍋をかき混ぜながら、パンを並べたオーブントレイをオーブンに挿し込む、俺の手元を見守っている。

「何分?」

「うんと、5分位かな」

俺は、5分ピッタリにタイマーを回すと、すぐに美弥を後ろから抱きしめた。

聖なる夜に、好きな女が、料理作ってる姿を眺めながら、こうやって抱きしめて、匂いを確かめるように首筋に顔を埋める。

そして、俺の匂いを美弥の肌に染み込ませるようにキスを繰り返す。

まるで動物のマーキングだ。
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