続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「すっげー美味い。おかわりしていい?」

「まだ一口しか食べてないじゃん」

そう言いながら、美弥が、ケタケタと笑う。

「なぁ、マジで、早く結婚したいんだけど?」

美弥の目をしっかり捕まえてから、俺は、真顔で言葉に吐いた。

「えと……あの……」

案の定、美弥は、困った顔をしながら、俺の目を見ては、逸らし、逸らしては見るを繰り返している。

「よく考えたらさ、美弥の返事は、婚約者だってお試しってコトになってんじゃん。なー、もうお試しじゃないよな?俺と結婚してくれんだよな?」

少し待っても、美弥からの返事はないが、真っ赤な顔と、もじもじとした態度を見て、俺は、口角を上げた。

「来年も一緒にクリスマス過ごそうな」

いつもなら、もう少し虐めたいところだが、今夜は聖夜だ。

大人になってからも、サンタクロースからのプレゼントがあるとしたなら、俺は、もう充分すぎるほどに貰った。


ーーーー俺と生涯を共にする、世界で、ただ一人の愛おしい、お姫様を。


「うん……来年も……再来年も……颯にビーフシチュー作るね」

「約束だかんな」

俺は、にんまり笑うと、空っぽになった器を美弥に差し出した。
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