続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「美弥ありがとう。めちゃくちゃ大事にする。てゆうか、俺、このネクタイ以外もういらねー」

「え?」

「今あるの捨てちまうか」

「ダメだよっ、まだ使えるのばっかりなのに」

颯が、無意識に尖らせた私の唇を、人差し指と親指で摘む。

「ンンッ」

「お前さ、女が、男にネクタイ贈る意味知らねーだろ?」 

颯が、唇から指を離すと、今度は、私のおでこを人差し指でツンとつついた。

「意味?」

「私は、あなたに首ったけって意味。つまり、美弥は、俺に首ったけってことだな」

「え?そうなのっ」

途端に頬が、カッと熱くなる。ネクタイを贈ることに、意味がある事を私は、知らなかった。

ただ、いま思えば、プレゼントを買いに行くのを麻美に付き合ってもらった時だった。颯にネクタイを贈りたいと言った私に、麻美は、意味深に、「颯さんに、その日は離して貰えなくなりそうだね」と、クスクス笑っていた。

「だから、俺にとっては、これは、美弥が俺にくれた首輪みたいなモンだな。俺が、美弥のモンだって証」

「颯……が、私のモノ?」

「だろ?俺は、美弥が、つけた首輪なら一生外さない。てゆうか、美弥、後ろ向いて、目瞑って」

「え?」

「いいから」

私は、颯に言われた通り、背を向けると目をギュッと瞑った。
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