続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
後ろから颯の匂いがして、鼓動が高鳴っていく。目を瞑るだけで、視覚が、奪われて、自分の心臓が、どんなに大きな音を立てているのが、よく分かる。

首元にサラッとした感触がして、小さくパチンと音がした。

「目あけて」

颯が、姿見の前に私を連れて行く。
そこには、さっきまでなかったモノが煌めいていた。

「……綺麗……お姫様みたい」 

「気に入った?俺からの首輪」

私の首元には、大きめのダイヤモンドの石が一粒、キラキラと眩いほどの輝きを放っていて、私は、胸がいっぱいで言葉が出てこない。

「もっと俺のだって目立つように、デカい石にしてやろうかと思ったんだけどさ、店員が普段使いなら、あんま石デカくない方がいいっていうし、美弥も気にするかなと思って、その大きさにした」

颯は、形の良い唇を引き上げると、姿見越しに長い指先で私の首筋に触れる。

「颯……ありがと……大事にするね」

颯が、忙しい仕事の合間を縫って、私のために選んでくれたと思うと、胸がいっぱいでお礼の言葉と共にやっぱり涙が転がった。

颯が、クククッと笑った。

「絶対泣くと思ってたけどな。マジで泣き虫」

ぎゅっと抱きしめられて、颯の鼓動が、規則正しく、とくんとくんと聴こえてくる。
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