続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「で、俺は瑞季より、会社を選んだんだ。後悔は、していない。会社は、銀行頭取の娘である麗夜の母親の後ろ盾のお陰で、無事に持ち直し、安堂不動産は、今や、誰もが知る大企業へと成長した」

「成程ね……でも、俺は、本当に欲しいものが手に入らないなら、会社なんてどうでもいい」 

康二が、あからさまに嫌悪感を俺に向けながら、煙草を乱暴に灰皿に押し付けた。

「何度も言わせるな!お前は、この安堂不動産のトップにたつ男でなければならない。グループ企業合わせて3万人の、従業員の生活をお前が守っていかなければならない。今後、俺の跡を継いで社長になった際、それなりの女性と結婚し、その女性の後ろ盾があれば、会社だけでなく、いずれ、お前自身の助けになるのが、分からないのか?」

「……母さんとアンタの事は、二人が決めたことだから、俺は何も言わない。でも、俺と美弥の事は、俺達が決める……俺には、美弥しか居ないから……それに、会社の後ろ盾になる程の女であれば、いいってコトだよな?」

「何がいいたい?」

「さあな、まぁ、見とけよ。お望み通り、会社は今より俺がデカくしてやるよ。で、近く美弥と結婚する。いずれ分かるさ、アンタも認めざる得ない女だから」

「何度も言うが、結婚は認めない。ま、そのうち、お前の隣が窮屈に感じて美弥さんの方が、お前から離れていくさ」

「は?言ってろよ」

俺は、手に持っていた、新しいシステムキッチンの企画書を、康二の目の前にバサッと投げた。
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