続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「全社員対象の企画書を、先日、上役で審議した。公平性を期す為にも、名前は伏せて、応募した順に企画書に番号をつけて審議してる。上役の会議では、満場一致で、その企画だった。俺と麗夜の承認印も既に押してあるから、アンタの印押したら、実花子にまわしといて」

康二は、企画書に、ちらりと目を遣りながら、2本目の煙草に火をつけた。

「話は、それだけなら、もう出てけ」

「言われなくても出てくし」

俺は、ドアノブに手をかけながら、もう一度、振り返った。

さっきの母さんの手紙が、頭をよぎる。こんな男でも、母さんは、愛してた。そして、こんな男だと思ってた親父も、母さんの嘘を信じたフリして、会社と従業員の為に政略結婚した。

「何だ?」

「……プラモデル、今でも大事に持ってる……そんだけ」

康二から、返事がないのは分かっていた俺は、静かに扉を閉めた。

親父のいうことも、母さんの言うことも分かる。

ーーーーだから、俺は両方獲りにいく。

両方とも諦めない。
好きな女も会社も守ってみせるから。
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