続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
身長は、180センチの颯よりもまだ少し高い。
日本人離れした、彫りの深い二重瞼で、瞳の色は、深い藍色だ。センター分けされた頬に、かかる長さのブロンドの髪は、歩くたびにサラサラと揺れ、ブラウンのチェックのスーツがまるで、この人の為に存在しているかのようにとても、似合っている。

(この人が麗夜さん……お人形さんみたい……)

ふと、こちらに向けて、鋭い視線が刺さる気がして、颯を見れば、獲物を狙うヒョウのような目つきで、私を叱るように一瞬だけ目を細めた。

(え、颯……怒った……?)

それに気づいた、麻美が俯いて、笑いを堪えているのが分かった。

「皆さん、おはよう御座います。今日は、皆さんにご紹介したい人がいます。では、専務、一言お願いします」

颯が、隣に視線を送る。

「皆さん、初めまして。颯の兄の安堂麗夜(あんどうれいや)です。いつも、弟にお力添え頂き感謝しております」

兄、という言葉に、颯の頬が、ピクンと引き攣るのが分かった。

「長年ロスの支社で、マーケティングと広報に携わっておりました。本日付けで、広報マーケティング部の専務として、会社に貢献していきたいと思っております。どうぞ、宜しくお願い致します」

盛大な拍手に包まれた事務所に紛れて、口元に絆創膏を貼り付けた千歳が、こっそりと着席した。

一瞬、千歳と目が合って、私は慌てて逸らす。
< 18 / 262 >

この作品をシェア

pagetop