続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「あったまった?」

お風呂上がりで、先程まで震えが止まらなかった身体は、つま先まで、ポカポカする。

実花子は、雨の中、理由も言わずに、ただ泣きじゃくる私を引き摺るようにして、自宅に連れて帰ると、びしょ濡れの私に、こうして、お風呂まで貸してくれた。

家までの道のり、何度も、「これだから野良猫は」、「だからアンタは嫌いなの」と、散々、悪口を言われたが、不思議と、それが実花子の本心ではない気がして、気づいたら、言われるがまま、こうして実花子の自宅にお邪魔してしまっていた。


「あ、の……お風呂、ありがとうございます」

私は、実花子から借りた、ボーダーのスウェット姿で小さく頭を下げた。

スタイルの良い実花子と違って、背が、低く足も長いと言えない私は、足元の裾を一重(いちじゅう)に折り曲げている。

「別に、あのまま捨てといても良かったけど、見つけちゃったら、何だか、見てみぬふりもできないじゃないっ。もうっ」

相変わらず、言葉はキツイめだが、実花子は、慣れた手つきで、二人前のチャーハンを炒めている。

「えと、お手伝い……しましょうか?」

「ばかっ。そんな事より、さっさと颯に連絡して!私が、いじめてるとか拉致したとか何とか、あとあと、面倒でしょうが!」
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