続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
その時、私のスマホが再び震える。液晶画面に表示された名前は、勿論『颯』だ。

じっと見つめたままの私に、深いため息を浴びせながら、実花子が、私のスマホを取り上げ、通話をスワイプした。

「……あ、ごめん、私だけど……え?あ、うん……野良猫居るわよ……何か体調悪そうだったから、見てられなくて、うちで面倒見てるけど?……うん、大丈夫だと思うけど……え?迎え?」

実花子に向かって私は、大きく首を振った。

「あ……今見たら、もうベッドで休んでるし……このまま泊めるわ……え?当たり前でしょ!いじめたりしないわよっ!じゃあね」

実花子は、暗くなったスマホを私に突き返した。

「助かりました……ありがとうございます」

私は、消え入りそうな、小さな声でお礼を言った。

「明日……颯にちゃんと説明するのね……尋常じゃない程、情けない声出してたから」


ーーーー胸がズキンとする。


颯に心配かけたという事実だけでこんなに胸が痛いのに、颯と別れることなんて、私に出来るんだろうか。気づいたら溢れた涙に、実花子が私の目頭に、雑にティッシュをあてる。

「ちょっと、私が泣かしてるみたいでしょ!……お腹減ってると元気も出ないし、涙も出るんだから、早くご飯食べてよねっ。冷めちゃうでしょ」

「……実花子さん……」

「ほらほら、口開けて!」

実花子は、スプーンでチャーハンを掬うと私の唇に強引に当てた。
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